カカイルクエスト

【5】
「そうねぇ、俺の大事な後輩を死なせるわけにはいかないからねぇ。ベギラゴン!!」

突然カカシの目の前に地獄の劫火が立ちのぼり、スライム共を一瞬のうちに焼き尽くした。

「カ、カカシ先輩……。レベル1でベギラゴンって……チートかよ」


テンゾウたちは魔物をやっつけた!
経験値を10
20ゴールドを手に入れた。

♪テ テ テ テッ  テッ テッ テーン♪

突然能天気な旋律が空から降ってきた。


カカシのレベルがあがった。
カカシはレベル2になった。力が10、素早さが10、かしこさが10 エロさが100あがった。
カカシは新しい体位を覚えた! 焦らしプレイを覚えた!

カカシのレベルがあがった。
カカシはレベル3になった。


(中略)

カカシのレベルが30になった。力が8、素早さが5、かしこさが8、エロさが……


「ちょ、ちょっとまって? ボクのレベルは??? ボクレベル1のまんまなんですけどぉーーーー!!」

テンゾウの悲痛な叫びが青空に吸い込まれる。

「ま、そのうちあがるでしょ。俺、さっきHPとMPがカンストしたみたい。魔法は全部覚えてるし、あとは夜の業のカンストを残すのみ、だね」

カカシはテンゾウにホイミをかけてから何事もなかったかのように歩き出した。

「ね、テンゾウ。この世界のどこかにいるイルカを、俺は絶対に探し出す!」

夜の業師の瞳がキラリと光った。



カカシの強さは半端なかったので、カカシとテンゾウはイルカを探してハイペースで旅を続けていった。

「せ、先輩。もういい加減休ませてください!」

「疲れたなら棺桶入っとく? 次の街で生き返らせてあげるよ」

「ちょっ!! 何言ってるんです? その剣をしまってくださいよ! だいたいボクが勇者なんですからボクが死ねば先輩だって教会に戻されてしまうんですよ!?」

「そうなの? ざーんねん」

「ヒドイです! 先輩」

「ごめーんね。だって俺たちがこうしてる間に、イルカがどんな目にあってるかって考えると心配でたまらなくて」

「先輩の気持ちはわかりますが、もうボクは限界です。ここは一度、復活の呪文を聞いてちゃんと休まないととてもじゃないけど旅を続けられません」


▼復活の呪文を聞きますか?
→はい
→いいえ