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   宇宙カカイル

『賽の目屋』さんのサイト1周年記念に差し上げたSSです。
宇宙カカイルが読みたいとおっしゃったPINさん。
たぶんコレジャナイ感がすごかったと思うのです。
それなのに貰ってくださってありがとうございました。
そして、ごめんwwww 本当にごめんwwww


*


晴天。
最大風速 15.0m/s
飛行経路に雷雲、積乱雲なし。

絶好の気象条件。

今日のこの日に、俺は世界初の飛行士として宇宙へと旅立つ。
陸上、海上共に厳しい保安警戒が敷かれた中で、俺の旅立ちを見送るのは現火影ナルト、サクラ、サスケの三人だ。

「何も先生が行くことないのに!」

俺の身を心配して涙を浮かべるサクラと、彼女に寄り添いその手をとるサスケの姿に俺は目を細める。

「お前ら良い夫婦になったな。ナルトもね、本当に良い火影になった。俺はね、お前たちが可愛くて仕方ないの。
お前たちやサラダやボルトやひまわりが幸せに暮らせる世界を作ってやるのが俺の生きがいなわけよ。だから俺は行くよ」

俺の言葉にナルトは激高したようだ。

「先生は守られるだけの俺たちの気持ちを考えたこと、あるのかよ! 俺たちのために先生はいつだって自分を犠牲にしてきた。俺はやっと火影になれて、これからは先生を守ろうって思ってたのに、こんな危険な任務に志願するなんて酷いってばよ……」
「ありがとな。ナルト。その気持ちだけで充分だぁよ。でもな、あのカグヤが月で復活の兆しって情報が入ったからには、誰かが行って止めなきゃいけないだろ。
俺はまぁ、今でもそれなりに強いし、カグヤと戦ったこともあるし、それに家族も恋人もいないし、俺以上の適任者はいなんだ。わかるだろ?」

俺は目を閉じ、数か月前に別れた愛しい人を脳裏に思い浮かべた。
男気があって、強くて、忍びなのに情に深くて涙もろいところがあって、誰よりも俺を愛してくれた人。俺が愛した人。
うみのイルカ。

俺たちは長く恋人の関係にあって、それは周囲も認めるところだった。
でもあの日イルカ先生は泣きながら俺に言ったんだ。

「どうしても宇宙に行くというなら、別れます!」

あのときの先生の声や顔を思い起こすと胸が痛くなる。
別れる、と言えば俺が思いとどまると信じていたイルカ先生。
俺だって別れたくなかったけれど、こればっかりは譲れなかったんだ。
どうしても、自分の手で成し遂げたい望みだった。

ぐずっ、とサクラが鼻水を啜りあげる。

「サクラ、せっかくの美人が台無しだぁよ」
「先生っ、こっこんなときまで下らないこと言わないで。イルカ先生と別れてまで志願するなんて……」
「イルカ先生、見送りにもきてないってばよ」
「仕方ないよ。俺はあの人を酷く傷つけたんだから。なぁ、お前ら。7班の指導者としての最後の命令、聞いてくれるか?」

サスケが殺気を込めて俺を睨み付けてきた。

「カカシ。不吉なことは言うな」
「まぁ、そう怒るな。俺は必ず生きて帰って先生をもう一度口説くから、どうか先生が浮気しないように見張ってて。先生が寂しくならないよう、いっぱい笑わせてあげて?」

俺は深々と頭を下げた。

「わかったわよ」
「俺もだってばよ」
「まかせとけ」

憮然とした表情のサスケが言葉を発したそのとき、出発を促すベルが鳴り、俺は教え子と地球に別れを告げタラップを登り宇宙船の狭いコクピットに身を落ち着けた。
しばらくして、ギィと大きな音と共にアルミ合金の扉が閉まると、薄暗い船内にパネルの緑の光が妖しく灯る。

発射までの秒読みがスピーカーから聞こえてくると、飼いならしていたはずの寂しさと思慕の念がじわりと胸にせり上がり、それは言葉となって俺の唇から零れ落ちた。

10

9

「イルカせんせ……」

8

「はい」

声がしたほうを振り返ると、そこにはイルカ先生がいた。

「先生っ!」
「俺を置いていくなんて酷いですよ。俺はカカシさんがいないと生きていけません」
「でも、危険です! 降りるなら今です」
「今更、命の危険なんてどってことないですよ。写輪眼の恋人、火影の恋人としての重圧に耐えてきた俺ですよ。アンタが何になったって俺はアンタの側に居続けてやる。だから、どうか俺を連れて行ってください」



こんな危険なことに先生を巻き込んだ俺は大馬鹿者だ。
そして、先生の熱烈な告白を受けて嬉しいと思ってしまう俺は本当に酷い男だ。

だけど。



「先生、嬉しい。もうすぐ出発です。先生のことがバレないように室内カメラを切りますから、こっちにきて俺の膝の上に坐って?」
「え? 膝の、上ですか?」
「ええ。コクピットは一個しかないから一緒に坐ろう? 時間がないから、早く」

躊躇いがちに近づいてきた先生を俺は抱き上げ、膝の上に坐らせて安全ベルトを締めた。





「先生ごめんね、発射するときの衝撃で、先生が舌かんじゃうといけないから俺の指入れさせて」

俺は左手でしっかりと先生を抱き込み、右手の人差し指と中指を先生の口の中に入れた。



「んっ……」



「せんせ、色っぽいね」

久々に触れるイルカの躰にたまらなく興奮して。そんな場合じゃないって分かっているのに、
腿に感じるイルカの硬い尻に、指に感じるザラリとした舌の生暖かい感触に、そして宇宙への旅立ちの興奮に、俺の雄が昂ってゆく。



発射!!!

……その瞬間、俺のナニも発射した。





大気圏を越え、俺たちは宇宙に出た。
真っ暗な宇宙に無数の星が散らばってる。
宇宙は幻想的で神秘的で、畏怖を感じるほどの神々しさもあって、そしてとても静かな印象を受ける。
これが、宇宙ってものなのか。ここで、俺はイルカと……。

「はぁーっはぁーっはぁーっ」
「ちょっ!! カカシさん、何盛ってんですかっ! 落ち着いてくださいっ」
「これが落ち着いていられますか! イルカ先生ッ。今日のこの日のために、俺がどれだけの努力を重ねてきたと思っているんですっ」

俺は今、イルカ先生の生尻を拝むべく先生のズボンに手をかけていて、先生の必死の抵抗に合っている。 先生、酷い。

「今日のこの日ってなんですか!?」
「決まってるでしょう。イルカ先生と俺の、無重力セックス記念日です」
「はぁっ!? そんなことしてる場合じゃないでしょうがっ、カグヤの恐怖が迫っているんですよ! 俺も戦いますから作戦を練りなおっ痛ってぇええええ!! ちんこ鷲掴みにすんなっ!! 痛ぇだろうがっ」
「だまらっしゃい!! イルカ先生こそ、抵抗してる場合じゃないでしょうがっ。
このプロジェクトに一体いくらのお金がかかっていると思ってるんです。火の国の国家予算2年分に相当するんですよ! わかったらさっさとケツを出せ! 時間を無駄にするなっ」
「はぁああああああ!? 金かかってることくらい分かってますよ。だからこそこんなコトしてないで打倒カグヤに向けた綿密な作戦を!」

イルカ先生は本当に酷い。
もぅ何か月も先生を抱いてない。俺の気持ちもっと大事にしてくれたっていいじゃないか。

「イルカ先生、よく聞いてください。カグヤ復活の兆しなんてのは、俺のでっちあげです」
「はっ!?」
「俺はイルカ先生と無重力セックスを愉しむだけに、この計画を練ったんです。名付けて人類射精計画」
「な、な、な、な」

びっくりして固まってる先生の隙をついて、俺は先生のズボンを引き摺り下ろした。
そして、チンコを先生の雄膣にイン!!

「ぎゃんっ!」

イルカ先生が悲鳴まで可愛い。

うっわ
すっげぇ気持ちいい。久しぶりの先生のナカ。

「あぁっ……ふぅっ、カカシ……さ……」

チョロいイルカ先生は、いつだってナニをインした時点で完全に俺のいう通りになってくれる。
先生の穴は俺のカタチを確かめるように窄められて、唇からはひっきりなしに甘くて浅い呼吸が漏れている。

「ねぇ、せんせ、そのままで聞いて?」

俺たちは繋がったままで宙をふわりふわりと浮いていて。
コクピットの外に視線をあてると蒼く美しい地球が俺達を見ていた。

「俺ね、先生とずっとこうしたかったんです。無重力でどんなセックスが出来るかなってずっと考えて、夢を膨らませていて。
暗部として上忍として火影として里に仕える生き方しか出来なかった俺を先生は叱ってくれましたよね。「自分のヤりたいことをヤルべきだ」って。「一生に一度くらい自分の幸せを優先したっていいじゃないか」って。あのとき、俺は目が覚めたんです。そしてこの計画を思いつきました。
長い道のりでしたが、いまこうして宇宙を見ながら先生と繋がれて俺は本当に幸せですよ。
正直、先生がこっそりロケットに乗り込んでくれなかったらどうしようかと。きっと貴方は来てくれると思ってたけど」

俺はここで相変わらず浅い息を吐き出しているイルカ先生を見た。
中途半端に与えられる快楽に苦しむイルカ先生は壮絶に色っぽかったけど、可哀想になって。

「ね、先生がどっかに掴まってくれないと、俺が腰を振ることは出来ないんですよ。わかります? 先生どこかに掴まってください」

俺だって早く先生のナカで暴れたい。
だけど、先生は全力で走り終えた犬のように短くハッハッと喘ぐだけで、返事をくれない。
きっとキモチよすぎて俺の言っていることを理解できないんだ。
そんな、とっても淫乱な先生に俺は満足する。

「せんせ、エッチぃね。でも先生がそうなったのって全部俺のせいなんだよね。ごめーんね」

俺は先生の耳たぶを甘噛みしながら、精一杯甘い声を先生の耳に吐息と共に流し込む。

「責任はとりますから」

そう言うと片手でやんわりと先生のペニスを握りこんだ。俺は指で、手のひらで、目で、先生のカタチを確かめる。
俺の大好きな先生の、俺の大好きなソコをこれ以上ないというくらい俺は大事に扱った。
まだ濡れてないうちは、皮が引き攣れて痛みが出ないようにとゆっくりとしごきあげて。
そのうち先生の声が甲高くなって、たらたらと信じられない量の先走りが鈴口から溢れ出る頃には、性技のすべてを駆使してイルカ先生を射精へと導いた。

「あぁーーーーっ!」

女みたいな声を出して、先生は果てる。
ペニスの先から勢いよく噴き出た精液が、瞬く間に真珠のように丸まって船内に散りゆく様は、随分と俺を興奮させた。
その一粒を指先で摘み取り、潰してみるとまるでペンキのような粘度があり、イルカ先生が長いこと自慰もしていなかったことを俺に伝えてくる。

「ごめーんね。俺のワガママのせいで、先生にも随分と我慢させちゃったみたい。お詫びに、これからがんばりますから」

先生は相変わらず放心状態だったから、俺は足元の棚を少しだけ蹴って移動する。
操縦席の背もたれに、浮かび上がろうとする先生の躰を押し付けて、操縦桿を握って腰を振り始めた。
流石は無重力。少しでも打ち込む角度がズレると先生の躰も背もたれからズレて宙に浮きあがりそうになる。
大変な集中力を以て俺は先生を犯した。
久しぶりの先生の雄膣は気持ちよすぎて、俺は長くはもたなかった。

「ンッ!!」

俺は先生のナカにすべてを注ぎ切って。
先生の穴から溢れ出た精液が、真珠になって船を漂い始める。
俺たちの牡の匂いが宇宙船に満ちていくのが何故かとても誇らしかった。

「カカシさんっ」
「イルカ先生、気持ちよかったですね」

これ以上ロマンチックな情交もないだろう。
先生はきっとうっとりと俺を見つめてくれるはずだ。
満たされた気持ちでイルカ先生から己を引き抜き、彼の躰をひっくり返して見つめ合う。

あれ? おかしい、先生すっごく怒ってる。

「あんた、もぅどんだけズレてんですかっ! おれは確かに自分のしたいようにっていいましたが、それは他人に迷惑をかけない範囲でのことでしょうが!!
こんなことに多額の税金使い込んで、沢山の人を心配させてっ!! 俺は情けないですっ!」

イルカ先生は腹立ちまぎれにドカッと俺の腹に拳を当てる。

「先生っあぶない!! ここは無重力なんですっ」

先生は驚きのスピードで吹き飛び、操作パネルに背中から激突した。

「ってぇ!!」
「大丈夫ですかっイルカ先生!」

警報が鳴り、船内に機械の声が響く。

自動操縦 ガ 解除サレマシタ
航路 ヲ 設定 シテクダサイ

「「え?」」
「カ、カカシさん。航路を設定しろって」
「や、俺出来ないですよ」
「って嘘だろ??? あんた何年も寝る暇も惜しんであんなに勉強していたじゃないか!!」
「あ〜あれは、無重力でできる体位を考えたり、船内に飛び散った精液の回収方法を模索したり飲料水に再生しうる精子濃度の限界値を試算していただけであって、操縦のことなんてこれっぽっちも勉強してません」
「。。。。。。。」

無言のイルカ先生はとても怖い。

「ご、ごめんね? こんなことになると思わなくって」
「まじかよ!! この状況どうするんですかっ!!!!! 俺たち地球に本当に帰れるんですかっ!?」
「わかりません。どうしましょう」

ふたりは長いこと帰還方法を探っていたが、そのうちカカシとイルカは考えるのをやめた。


END

この後、無事に帰れました。すみませんでしたーっ!!!
PINさん曰く、このSSを読むと鼻水が出るらしいです。
みなさん、鼻水でました?wwww


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