カカイルクエスト
【2】「竜王を倒すという目的がある以上、私情で仲間を選ぶべきじゃないのは分かってる。
だけど、あのカカシさんがこの奇妙な世界でマトモに生きていけるはずがないんだ。
だって現に、開始10分もたっていないのに夜の業師なんて妙な職業についているし。
このまま酒場に残していたら、きっと先輩は誰彼かまわず手を出して、この街があっという間に銀髪の生意気な子どもで溢れかえってしまうだろうしね。だからボクが先輩の面倒を見ないと!」
覚悟を決めたテンゾウは決然と声をあげた。
「夜の業師カカシと戦士アスマでお願いします!」
「おお! カカシを連れて行ってくれるか!!」
厄介払いが出来たとばかりに満面の笑みを浮かべる綱手の後ろで、カカシがテンゾウを睨み付けていた。
「嫌だね」
「はいー?」
「おまえ、俺が奇妙な世界でマトモに生きてけるはずがない、とか誰彼かまわず手をだして孕ませる、とかさっきから何なのよ? おまえなんかの世話になんか、ぜーーったいになんないからね」
「えぇーーっ」
心の声を口に出してしまっていたテンゾウは、カカシを仲間にすることが出来なかった。
結局、戦士アスマとその恋人魔法使いクレナイを仲間にしたテンゾウは(シズネは綱手が手放さなかったのである)、日々二人のイチャイチャを見せつけられながら、リア充爆発しろ!の心意気で腕を磨き、魔王を倒し世界を救ったのだった。
FIN