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   Lacrimosa

今日はとても善い日ね
愉快よ
気分がいいわ
だって、あの偽善者がついに死んだのよ

アイツが死んで
私が生き残る
世の中捨てたもんじゃないわ

ねぇ、長門、弥彦、小南、喜びなさい
あなたたちを地獄に突き落とした自来也がついに死んだわよ

あの日あなた達に会って
私はこの手で貴方たちを殺してあげるつもりだった
痛みを感じる間もなく、ひとおもいにね
そうすれば、あなた達は可哀想な子どもとして一生を終えれたのに

並み外れた才能を持つあなた達が
後ろ盾なく生き残っても
利用され裏切られ殺戮と憎しみに満ちた人生を歩むしかないもの

それがどんなに辛いか私は知ってるわ

ねぇ、自来也
あなたはあの子達を助けたつもりで、地獄に突き落したのよ
最後まで責任を持てない命に妙な憐憫を与えて、一体何になるっていうの
可哀想、だなんてうわっぺらの優しさが、あの子たちを苦しめ、まわりまわってあなたを殺したの

あなただけじゃない
彼等はいずれ木の葉も滅ぼすでしょう
あなたが愛した綱手とカカシも、きっと長門に殺されるわね
ふふふっ、ざまあみろだわ

あなたが救えたのは長門達じゃなく、綱手でありカカシだったのに
あなたはそれをしなかった

憐れなあの女は、未だに死んだ男が愛したかつての自分の姿にしがみついている
あの男を想いながら俺と生きてくれと、力ずくで奪えばよかったのよ
きっと貴方達ならそうして今を生きていけた


サクモが死んで
オビトが死んで
リンが死んで
ミナトが死んで
カカシは本当に独りになった

あのとき、あの子を抱きしめ、愛して、満たしてやれるのは、あなたしかいなかったのに
私を追って旅に出るというのなら、どうしてあの子を連れていってやらなかったの?
ナルトを連れて行ったように、あの子を

カカシ、かわいそうな子
生き方のわからないあの子が、それでも必死に生き抜いて
愛し方のわからないあの子が、どうにか人を愛そうとして
サスケを、サクラを、ナルトを大切に育てていたのに

サスケを私に
サクラを綱手に
ナルトをあなたに取られたのよ

カカシが貴方を見る目、たまらないわ
ひどい仕打ちを受け続けてきたのに、あの子はそれでもあなたを慕ってるのよ
あなたの書いた、愛とやらが書かれた本を片時も手放さず
あるかどうかもわからないミナトの面影を書面に必死に求めて

そんなカカシに、貴方はいったい何をしてやれたのかしら?

あなたは全てにおいて中途半端だった
ただただ良い人であり続けた
それがどれだけ残酷なことか気づきもせずに

あなたの罪深い人生がようやく終わりをつげて、わたし嬉しいわ
嬉しいのよ

それなのに

なぜか涙が止まらないわ


(2016.08.25)


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