この茄子、誰の? ~どうしてこうなったorz...SS~
はたけカカシとうみのイルカは恋人同士で、里外れの一軒家に住んでいる。家事は分担制だけど、買い物は里内にいることが多いイルカが一手に担っていた。
ただし、あるモノをのぞいては。
ソレはいつも絶対にカカシが買ってくる。
絶対に、だ。
そうなってしまったのは半年ほど前の出来事に由来する。
*
任務から帰った俺は、台所にて、まな板の上の茄子をしげしげと見るイルカを発見した。不思議に思って声をかけずに観察していると、イルカはおもむろにメジャーを取り出し茄子を計測しはじめた。
「長さ 21cm 一番太いところ 6cm」
それからイルカ先生は何かを思い出そうとするそぶりでウロウロと台所を歩き回るから、当然俺の帰宅にも気付いて。
「あ! カカシさんお帰りなさい!」
メジャーを手にもったままで俺の元に駆けてくるイルカ先生。
かわいい。
先生を抱きしめる為に両手を広げて待っていたのに、先生は俺の前でしゃがみこみ「すみません」と一声断わって、あろうことか俺のズボンのチャックを下ろしはじめた。
「ちょっと、なになに? せんせ、そんなに溜まってたの?」
情緒もへったくれもない誘い方ではあるが、それでも嬉しかった。
躰は正直で、イルカ先生に引きずり出されたペニスは期待に兆し始めていた。
「いえ、違います。ちょっと確認したいことがあって」
やっぱりかわいい。俺の浮気を疑ってるんですね。
俺には先生だけだって何度言ったら分かってくれるのかな。
でも、分かってくれなくてもいいのかもしれない。
だって、帰宅して早々こんな素敵な浮気のチェックをしてくれるんなら。
「失礼しますね」
そう言って、イルカ先生は俺のモノを口に含んだ。
「ふぅっ」
先生のねっとりとした温かい口の中で、ぬめる舌が亀頭に絡み付く。
鈴口を舌先で執拗に突かれて、俺のペニスはすぐにはちきれる寸前にまで高められてしまう。
キモチイイ。
目を閉じて夢中になってオレをしゃぶる先生の顔も。
咥えきれない竿にかかる先生の息も。
ふぐりを優しく揉みしだく先生の手も。
全てが愛おしく、淫猥でたまらない。
ダシタイ。
ほんとは先生の雄膣に出したいけれど、切羽詰った俺は先生の準備を待てそうにない。
最初はこのまま口に出させてもらおうと、先生の頭を両手で固定し腰を振り始めた。
「出してはだめです!」
「えっ!」
先生は俺から口を離し、真剣な目でペニスを見ている。
そして手にしたメジャーでおもむろに俺のペニスを計りはじめた。
「長さ 21.5cm。 一番太いところ5cm! やっぱり!」
弾んだ声のイルカ先生を怪訝な目で見てしまったのは仕方ないだろう。
「やっぱりって何?」
「あぁ、カカシさんすみません。実は味噌汁にしようと思って茄子を買ってきたんですが、大きさがカカシさんのアレに似てる気がしてきて、ちょっと確かめたくて」
「はぁっ!?」
変な声、出た。
「だいたい一緒ですね。カカシさんの最終形態のアレと、この茄子。
疑問がとけたので心置きなく調理できます」
俺はチャックから屹立したペニスを出した間抜けな恰好でそこに取り残された。
「ちょっとまって、アナタ。俺のペニスに似たソレを、調理するの?」
「そうですよ。何か問題でも? 晩御飯は貴方の好きな茄子の味噌汁です」
まな板の上に乗せられた、俺のアレに似ているという茄子にイルカが包丁を当てる。
ひゅん、と玉が縮こまった。
「いや、好きなんですが、それはちょっと」
「はぁ……?」
それ以来、カカシは茄子の買い物担当になった。
八百屋のオヤジは、今日も大量の茄子を前に意味のわからないことを言いながら何事かを悩む里の誉れを温かく見守っている。
「このクソデカいのはテンゾウ。こっちのどんぐりはガイ。これはアスマ、あっちは……イルカ先生。だめだ。誰のものでもない茄子が見当たらない」
【完】